借地権とは?
借地権とは、簡単に言えば「自分の建物を建てるために、土地を借りる権利」のことです。借地権は、「借地法(旧法)」と「借地借家法」の2つに分けられ、借地借家法には以下5つの種類があります。
- 普通借地権
- 定期借地権
- 事業用定期借地権
- 建物譲渡特約付借地権
- 一時使用目的の借地権
借地権の鑑定方法
借地権の評価は難しいと言われています。
なぜなら、不動産鑑定評価基準において、借地権の鑑定評価は、「借地権の鑑定評価は、借地権の取引慣行の有無及びその成熟の程度によってその手法を異にするもの」と定義されているからです。つまり、そこが借地権取引に慣れているエリアかどうかによっても、評価方法が変わってくるということです。実際、借地権の鑑定評価は、「借地権の取引慣行の成熟の程度の高い地域」と「借地権の取引慣行の成熟の程度の低い地域」で分けられています。
借地権の鑑定方法
こちらでは、借地権の鑑定方法について、かいつまんで紹介します。
借地権の価値は、(ア)~(キ)を、定期借地権は(ア)~(ケ)までを総合的に考え合わせて、価格を決めていきます。
- (ア)将来における賃料の改定の実現性とその程度
- (イ)借地権の態様及び建物の残存耐用年数
- (ウ)契約締結の経緯並びに経過した借地期間及び残存期間
- (エ)契約に当たって授受された一時金の額及びこれに関する契約条件
- (オ)将来見込まれる一時金の額及びこれに関する契約条件
- (カ)借地権の取引慣行及び底地の取引利回り
- (キ)当該借地権の存する土地に係る更地としての価格又は建付地としての価格
- (ク)借地期間満了時の建物等に関する契約内容
- (ケ)契約期間中に建物の建築及び解体が行われる場合における建物の使用収益が期待できない期間
借地権の取引が慣例化している場合は、上記(ア)~(ケ)とその地域の借地権割合を参考にして、価格を決めていきます。もし借地権の取引に慣れていないエリアであれば、上記(ア)~(ケ)と土地の更地・建付地としての価格を参考にして、価格を決めていきます。
土地家屋調査士の役割
土地家屋調査士は、借地権の売却額を提示する役割を持っています。借地権や底地の鑑定書があれば、交渉もスムーズに進みます。
しかしながら、上記のように、不確定な要素を多く含む評価になるため、同じ条件でも土地家屋調査士によって評価額が異なります。そのため、土地家屋調査士は依頼者の希望に沿えるように鑑定を進めなければなりません。
底地を国が保有している場合は、借地権を国(地主)に買い取ってもらうことはあまり現実的ではなく、第三者に売却するか、底地と一緒に同時売却をするという方法を取ることになるため、依頼者にとっては、なおさら借地権・底地の土地鑑定の結果が重要となってくるでしょう。